サイエンスカフェ オリオン 活動記録 2018

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第46回 2018年2月11日

第46回「日本語と科学−日本語の科学が世界を変える」 
松尾 義之さん(科学ジャーナリスト)のお話
まず、2017年に日本生まれの英国育ちのカズオイシグロがノーベル文学賞を受賞したこと、 2000年代には多くの日本人受賞者がいて、多くの受賞候補者がいること、21世紀で科学の分野で 新しいことに挑戦している国は日本と少しの国であることなどのお話があり、現代の革新的な技術で 日本産の技術として、液晶パネル、LED、GPSによるカーナビ、プリウス、太陽電池、垂直磁気記録、 デジカメ+インクジェットプリンタ、リチウムイオン電池、IPS細胞、省エネ技術などについての お話がありました。 次に、何故日本の科学と技術は超一流になれたのか、として経済的な繁栄、政府・民間の研究投資、 教育レベルの高さ、国民皆保険、社会福祉、江戸時代以来の学問の伝統などの指摘があり、 日本の科学は日本語でやっていること、中国でも科学用語は日本語から来ているものが多いことを 日清戦争後の中国からの留学を例にお話されました。 そして、科学者の不正について発明と発見の差についてのお話の後、質疑を交えながら科学雑誌の話、 日本人が英語で話のが下手な理由、音訓読みや同音異義語など日本語の特徴のお話など多くの話題が 提供されました。    参加15名

第47回 2018年3月4日

第47回「空の虹色のいろいろ」 
綾塚祐二さん(天空博物館 製作者)のお話
ロバート グリーンラーの言葉「世の中にはわれわれの大部分がまだ誰も見たことがない魅惑的な事物で、 はっきりと目の前にありながら気が付かないものがたくさんある」から始まり、虹を見たことがありますか?、 暈は?彩雲は?という問いかけ、大気光象、主虹、副虹、環天頂アーク、環水平アーク、内暈、上端接弧など を写真で紹介後、綾塚さんの自己紹介がありました。 次に「虹の見える仕組み」について、光がどのように水滴入り内部で反射しまた屈折して水滴からどの方向に 出て行くか、波長による屈折率の違い、副虹は一回反射が多く主虹とは水滴内の曲がり方が逆になるので色が 逆になる、などの説明がありました。 次に、暈の見える仕組みとして、雲の中の氷の結晶(六角柱)の四角の面と六角の面で、光がどこから入って どこからどこに出るか、その組合せでいろいろな形の暈が見えるとして、内暈、幻日、環天頂アーク、 環水平アーク、上端接弧、幻日環、上部ラテラルアーク、太陽柱などについて、写真とシミュレーションソフトの 結果などで説明がありました。 次に彩雲については雲の水滴による回折として説明があり、雲粒以外の例として花粉光環、火山噴火による ビショップの環、続いて、後方散乱(光輪、ブロッケンの虹)、光芒、反薄明光線、地球影の説明が ありました。 そして、虹、暈、彩雲はどのようなときに見えるか、観察の注意点、撮影方法、画像処理について説明があり、 最後に綾塚祐二さんのウェブサイト「天空博物館」
http://www.asahi-net.or.jp/~cg1y-aytk/ao/
と関連書籍の紹介がありました。身近にありながら気が付いていない光の現象について 再認識するひとときでした。    参加14名

第48回 2018年4月15日

第48回「太陽系外惑星探査からアストロバイオロジーへ」 
日下部 展彦さん(アストロバイオロジーセンター 特任専門員、国立天文台 光赤外研究部 併任 )のお話
国立天文台作成のソフトMitakaを使い、系外惑星の位置や太陽系から宇宙全体を俯瞰したお話の後、 アストロバイオロジーセンターの紹介、ご自身が関わられた岡山天体物理観測所の3色同時トランジット 観測装置MuSCATとスペインの1.5m望遠鏡MuSCAT2についてのお話がありました。 次に、惑星の定義、太陽系外惑星探査の歴史、ドレイクの方程式、うちゅうじんっているの?の答え、 地球上の極限生物、地球の水、火星・金星の環境、エウロパ・エンケラドス・タイタンの解説があり、 地球型惑星を探すケプラー計画で見つけたもの、TRAPIST1とハビタブルゾーン、様々な系外惑星発見に 向けた取り組みのお話の後、アストロバイオロジーは、宇宙における生命を科学的に究明する分野であり 天文学・地球科学・生物学・分子科学など異分野が融合した分野であること、太陽系外惑星探査の 観測・理論・装置の開発があることのお話がありました。そして、バイオマーカーの例として光合成 とレッドエッジ、赤色矮星下の光合成の議論の紹介の後、まとめとして系外惑星が普遍的に存在すること、 ハビタブルゾーンにおける生命の可能性を探る研究が進められていること、異分野融合による研究が 進められていること、最後にプロキシマケンタウルスに実際に行こうという計画のお話で締めくくりました。 その後、参加者から多くの質問がありました。    参加17名

第49回 2018年5月26日

第49回「スパコンで再現する超新星爆発」 
滝脇 知也さん(国立天文台 理論研究部 助教)のお話
自己紹介の後、歴史から見た超新星爆発として「明月記」「ティコ」などの例の紹介、超新星は星の 一生(ガス雲−主系列星−赤色超巨星−超新星爆発)で最期に起こす大爆発であること、「名は体を 表さず」として、新星、超新星(Ia)、超新星(U、Ib、Ic)、ガンマ線バーストなどの説明、発生頻度 として一つの銀河では100年に1回程度起きること、などの説明があり、次に隣りの銀河で起きた超新星爆発 1987aについて、太陽の10^9倍の明るさ、光度の時間変化、爆発前は青色超巨星、超新星残骸 、超巨星の大きさ、などのお話がありました。続いて、星はなぜ輝くとして核融合、星の進化として 核融合の変遷、質量で決まる星の運命、元素周期表でみる元素の生成、星の進化と重力不安定、原子核 と束縛エネルギー、原始中性子星の誕生、ブラックホールとは、などの解説がありました。次に、 超新星爆発プロセスの仮説として日本くらいの鉄球(液体)が1秒で山手線サイズになり数日で爆発 すること、原始中性子星の誕生とニュートリノの放射、中性子星の重力エネルギー規模、ニュートリノ の大きさと物にぶつかる可能性、超新星爆発と卵を電子レンジで爆発させることとの比較、そして シミュレーションの結果として、1D球対象のシミュレーションでは爆発せずスパコン京で3D シミュレーションを行い爆発が起きたこと、対流により熱が運搬され衝撃波が膨張して爆発すること、 などの説明の後、重力波・光・ニュートリノによるマルチメッセンジャー天文学、超新星が光る数日前に ニュートリノが検出できる可能性などの説明がありました。質問も多く密度の濃い時間でした。     参加15名

第50回 2018年6月24日

第50回「宇宙生物学 〜太陽系の果てに生命を探す〜」 
堀 安範さん(自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター、国立天文台 光赤外研究部(併任)特任助教 )のお話
太陽系の果てに生命を探す、何を探せば生命を発見できるか、をテーマに様々なトピックについて話されました。
太陽系外惑星を直接撮影は、(1)コロナグラフ撮影(星を覆い隠す)(2)補償光学(地球大気の揺らぎによる像の ぼやけの補正)によってなされ、既に30個の系外惑星の直接撮像が得られています。 将来的に波長ごとの光度分布の測定により惑星表面・大気の物質がわかることが期待されます。
ケプラー望遠鏡による系外惑星(白鳥座方向)の発見は4000個に及んでいます。その約10%が地球サイズの惑星を 持ち、約5%が生命可能と考えられます。最近(2018年4月18日)全天走査型望遠鏡TESSが打ち上げられ、 まもなく観測が開始されます。
太陽が一つでない世界(周連星惑星)も発見されています。連星率は44+-2%に及ぶことから、珍しくない存在です。 宇宙を漂う惑星(浮遊惑星)は重力マイクロレンズ効果を用いて観測されており、恒星の数の1/4に達すると 推定されています。太陽系の近くにある系外惑星としては、トラピスト1(39.6光年、7個の地球サイズ惑星)、 プロキシマ・ケンタウリb(4.2光年、地球の1.27倍)、ロス128b、等があります。炭素/酸素の比率が大きい "ダイアモンド星"も見つかっています。
地球における水の量は0.023%、平均の深さ〜4km、生命に適した奇跡の星と云えます。地球の平均気温は18度で 液体の水が存在します(habitable planet)、一方、金星は464度の暴走温室、火星は-63度の全球凍結。
誕生時の太陽は30%程暗かったにも関わらず、地球に海が存在したことが分かっています(暗い太陽のパラドックス)。 最近の研究で、炭酸ガスの温室効果だけではパラドックスは解けないことが分かっています。 その後、3度にわたって(22憶年前、7憶年前、6憶年前)-30〜-50度の全球凍結の時代(400万年〜3000万年) がありました。全球凍結の直後に炭酸ガスたっぷりの環境でシアノバクテリアが大繁殖して大気中の酸素量が 急増しました。
何を見れば、生命の痕跡が分かるだろうか?
1)有機物?酸素?---大気成分   2)陸・海?植生? ---反射光   3)L型アミノ酸?   
全て、これから。   参加15名

第51回 2018年7月15日

第50回「ブラックホール − 謎の解明と最新鋭天文衛星 を使った新たな探査法 」 
山口正輝さん (甲南大学 理工学部 特任研究員)のお話のお話
自己紹介・研究紹介の後、ブラックホール(以下BH)の性質とX線観測によるBH(候補)の発見、 いろいろなBHとして・星質量BH(太陽質量の3-30倍、60個ほど発見、重い星が起源)・中間質量BH (いくつかの候補発見、起源は諸説あり)・超大質量のBH(太陽質量の100万倍以上、すべての銀河 中心に存在、起源はガス降着?合体?、宇宙開闢1/10の時間でどうやってできる?)の説明があり、 金属量が多い星はガスで飛ばされて大質量BHを作りにくいこと、金属量が少ない星(宇宙初期の星) が大質量のBHをつくるとのお話がありました。
重力波望遠鏡LIGOによるBH連星合体観測は銀河系外とのお話の後、銀河系内で見つかったBHの年毎の累積数、 そのうち重さがわかっているのは数個(太陽質量の5-10倍)しかなく太陽の20倍以上のBHは見つかっていないこと、 そして、X線観測以外の方法でBHを見つける新たな方法として、@星の動きを観測して相手がいることを 突き止める(連星)A相手がBH(重い)であることを確認する、具体的には位置天文観測衛星ガイア衛星に ついてお話がありました。 ガイア衛星は、位置決定精度が10マイクロ秒角(世界最高)、全天10億個、20等星までを観測、2020年に 連星データを公開予定。ここから発見されるBHの推定数は、@星の集団からどれくらいの割合がBH-恒星連星 になるか?A銀河系内にいるBH-恒星連星の数は?Bどのくらいの割合でガイア衛星で検出できるか? 結果は200-1000個見つかると推定しているが他の研究者では20万・4千ー1万・500など諸説あり、2020年に はBHの発見数が2桁増えている可能性やLIGOで見つかったような大質量のBH(宇宙初期の星からできた?) が見つかっているかもしれない、という期待をお話されました。
質疑応答も大変活発に行われました。   参加19名

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