サイエンスカフェ オリオン 活動記録 2019

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第63回 2019年9月8日

第63回「 原子を見てみよう! 〜走査トンネル顕微鏡で見る量子力学の世界〜」 
山崎詩郎さん(東京工業大学 理学院物理学系 助教) のお話 
まず、世界は何でできている?原子でできている、その大きさは10億分の1m、 原子を東京ドームとすると原子核はサクランボでほとんど点であること、量子力学は 常識が通用しない小さな原子の世界の取扱説明書、理解するのは難しいが計算で答えを 出すのは意外と簡単とのことで、シュレーディンガー方程式を例にプランク定数が ゼロではないので量子力学が存在し波動関数を求める方程式であるとの説明の後、 走査トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡は量子力学の世界の研究に使われ重さが1t位あること、 素粒子など小さなものを見るほど装置の重さが大きくなることをCERNやカミオカンデの例でお話されました。
そして原子の真の姿は?古典力学では原子核の周りを電子が回転しているイメージだが 本当は電子は雲のように広がっていて、どのように広がっているかは波動関数で決まり これを求めるのがシュレーディンガー方程式である。 次に原子の姿を見よう、として世界最高の顕微鏡のお話に移り、光で見る普通の顕微鏡は 光の粒が1μm程度なので原子は見えない、原子を見るには原子を使えば良い、原子の針で 原子を突く、ということでで電子の雲が重なるところで流れるトンネル電流のお話があり、 この電流を見ながら原子の針を動かす(走査)とどこに原子があるかという写真が撮れる、 という走査型トンネル顕微鏡の原理のお話がありました。針は心臓部であり先端は50nm位の 球だが丸いので先端は原子1個になる、針はタングステンをアルカリ溶液で溶解しながら作る とのことで経験談も面白くお話されました。針の走査はピエゾ素子に電圧をかけて行い、 XYZ各2個を使い1pmのスケールで動かす、顕微鏡は振動を避けるため空気ばねで浮かしており ビルの上は分解能が悪く地下の方がよい、温度は低い方が良く、液体窒素の80K、液体ヘリウムの 0.4Kが使われ、一定の温度に保たれる。装置は宇宙空間程度(10億分の1気圧)の真空中にある。 次に、写真の解析として、シリコン基板の原子の並び方の特徴として、原子6個、12個に囲まれた 構造が見え12個では隣と2個の共有が見える、60°・120°のラインに囲まれた三角形の区画があること、 などが挙げられたが、実際にシリコン基板を割ると三角形に割れる、これは大きな世界(三角形に割れる) の現象が小さな世界(原子が三角形状に配置)に原因であることで、これが小さな世界を研究する理由 であるとのお話でした。 その他に、分子の真の姿(分子間力顕微鏡)、銀の自由電子が波の重なりのように見える動画、 走査トンネル顕微鏡の写真、ご自身の研究のお話などがありお話を終わりました。質問も多く出され 興味深いお話も多く楽しいひと時でした。    
参加23名

第62回 2019年7月14日

第62回「 オートファジーはなぜ大切か」 
前本佑樹さん(東京薬科大学 生命科学部 細胞情報科学研究室 助教)のお話 
2016年にノーベル医学・生理学賞を受賞された大隅良典先生のお話をということで始まり、 基礎生物学研究所、オートファジー研究会のお話の後、オートファジーの説明に移り、 その語源(自分自身を食べること)、細胞内をリモデリングするシステムであり飢餓状態のときに いらないものをこわして新しいものを作るために必要であること、細胞内の現象であること、 細胞内の蛋白質を分解するにはプロテアソームもあるがとても小さいため大きいミトコンドリアなどを 分解するのはオートファゴソームであること、歴史的には1963年にクリスチャン・ド・デューブが オートファジーの名称を定義し電子顕微鏡でオートファゴソームを見つけ、1993年に大隅先生が 酵母のオートファジー必須遺伝子を光学顕微鏡で発見し論文発表、オートファジーに関する論文数は 1993年を起点に指数関数的に増加していることなどのお話がありました。 
そして、高等な人間から大腸菌までの中で、核がある酵母まではオートファジーがあるが核がない大腸菌では起きないこと、 酵母で研究するメリットは、病原性を持たない、安価、培養が容易、遺伝子破壊が容易、などがあること、 オートファジー研究の課題として、オートファジーは簡単には見えず飢餓状態にしても20分くらいで消えてしまう、 途中で止めるために酵母の消化酵素を欠損させた変異体を使いオートファジックボディを光学顕微鏡で 見えるようにしたこと。
次に、オートファジーと病気という話題で、オートファジーには飢餓誘導オートファジーと 選択的オートファジーがあり、後者が病気にかかわることが多い、神経変性疾患では神経細胞内でも オートファジーは起きている、疾患の原因になる細胞だけを食べるようにすることは難しいがマウスの実験では 飢餓状態の方が長生きする、LC3という蛋白質はオートファゴソームに結合するのでLC3に蛍光蛋白質GFPを 付けることでオートファジーを蛍光顕微鏡で見ることができ解析が進むようになったこと、
痛風で痛みが出るのは、関節などで尿酸結晶がリソソーム膜を破ることによる細胞膜のダメージで、オートファジーは 障害されたリソソームの修復を行う、オートファジーが活発に働いている場合には痛風は起きにくいこと、 感染症では、オートファジーは第一の免疫で、細胞外から細胞内に物質を取り込むこと(エンドサイトーシス) に対し膜の破れを認識してオートファジーを受けること、がんに対してはいい時もあれば悪い時もあり、 がん細胞の真ん中は栄養状態が行渡らず飢餓状態にあるため進行にはオートファジーが必要であること、 がんの予防に対しては原因物質をオートファジーが捉えていて、不良のミトコンドリアを取り除くミトコンドリアオートファジー (マイトファジー)について説明がありました。
次に、ゲノム編集CRISPR Cas9 の原理に関して説明がありました。
最後にオートファジー研究の問題点として、 人体のオートファジー活性を評価する方法が難しい、オートファジーを亢進する薬がない、メカニズムが複雑で 全容解明が難しい、治療に使われるには道が長いがオートファジーは大切だということは言える、ということでした。
質疑応答も大変活発に行われました。    
参加17名

第61回 2019年6月16日

第61回「ついに捉えた!巨大ブラックホールの姿」 
本間希樹さん(国立天文台水沢VLBI観測所所長、教授)のお話 
自己紹介の後、水沢に天文台がある理由として1899年の国際緯度観測事業のお話があり、現在の設備、VLBI観測所の 研究の紹介がありました。本題に入り、ブラックホール(以下BH)とは何か、巨大BHとしてM81、M87の中心の観測や 銀河系の中心SgrA*の周囲の星の運動からBHがあるはずだが、本当にあるか、ガス円盤はどのような構造か、ジェットの根元は?、 これらは写真を撮ることでわかるということで地球サイズの望遠鏡(EHT)でM87を観測。
M87の結果をズームアップ動画で紹介、なぜBHの影ができるのかを相対論を解いた動画で説明、そして詳しい結果として、 リングの直径は1000億km、ガスの温度の最高値は60億度以上、画像解析手法によらず構造が一致、4晩の連続観測とも 同じ構造→突発現象ではない、理論シミュレーションの描画と一致、リングの大きさからBHの質量は太陽の62億倍、 これらの結果よりブラックホールシャドウを初めて撮影と結論づけた。過去の想像図(映画インターステラ)との比較では 円盤の傾きと密度と温度の違いがあるとの説明がありました。
次にBH研究の歴史・背景として、アインシュタインの一般相対性理論の予言とシュバルツシルト解、時空の歪、BHの大きさ、 シュバルツシルト半径の求め方、脱出速度の求め方について数式を使っての解説、重力波の検出からもBHの存在は確実になったが まだ実際の画像として見ていなかったこと、今回の結果の意義として、BHの存在を視覚的に示したこと、銀河中心にある天体が BHであることが確実になったことで100年にわたる疑問に終止符を打つ成果とのお話でした。 次に、活動銀河中心核の研究史として、1909年のM77の中心に高温の核を発見、1918年M87のジェットの発見、1963年クエーサーの発見、 2000年頃銀河と巨大BHの共進化の示唆、そして2019年に直接撮影・質量決定により巨大BHの決定的な証拠となったこと、 また新たな宿題として、ジェットの根元が写らなかったこと、ジェットとBHの関係、BHの回転とジェットの関係が未解決で 、EHTやEVANによる今後の観測が重要との指摘がありました。
休憩の後、どうやって撮影したか、の説明で、EHTの科学目標としてターゲットはSgrA*とM87中心のBH、EHTは国際協力の組織、 世界各地の望遠鏡を組み合わせ地球規模の電波望遠鏡を構成する、望遠鏡の直径約10000km、観測波長1.3mmで視力300万、 2017年4月に6か所8台の望遠鏡で初の撮像観測し、その後2年の歳月をかけて今回の結果が得られたこと、 英語や深夜の会議・出張など国際協力ならではの苦労があったこと、EHTの中で日本人が貢献した内容やALMAの装置開発、 BHの画像解析でスパースモデリングを用いたこと、今回の画像はスパースモデリング、米国提案手法、従来法の3手法の平均であること、 そして、スパースモデリングについて、無数の解が存在する方程式から適切な制約のもともっともらしい解を選択する手法で 、画像を得るための制約、画像の視野、画素数、ピクセルの埋まり具合、画像の滑らかさなどの制約を考慮してかつ人工的な穴を 作り出さないようにするため様々なテスト画像でチェックしたこと、そしてベストなレシピで得られた画像を各手法の画像と比較し 分解能が高いこと、M87のBH質量が小さいという予想でも見えるようにこの手法を提案したとのお話がありました。そして、 日本人メンバーの紹介、世界6か所同時発表の様子、会見の時の心境、会見後の反響についてユーモアを交えてお話され、 今回の成果によって多くの人にBHと宇宙の魅力を伝えることができたということでお話を終わりました。    
参加25名

第60回 2019年6月2日

第60回「電子書籍:読書から出版まで」 
春山純一さん(JAXA ISAS/太陽系科学研究系)のお話 
始めに、電子書籍は2010年が電子書籍元年といわれ各社の端末が発売されたが、読める本が限定、端末が高価などの 抵抗感があったが、2012年にKindleが安い端末を発売し2018年のインプレス調査では60%以上の人が利用したことがあり、 そのうち30%が一日1回以上利用という結果になった。また、電子書籍は進化しており、書き込みができたり様々な端末で 読めるようになってきた、とのお話の後、MMD研究所の電子書籍を利用する理由(1位は場所をとらない、2位は安い・無料で 読める)、学生の場合のプログラムソースコードの2次利用、紙を使わないという環境保護、本屋が少ない、絶版の心配がない、 辞書機能などの利点、紙の本では、めくる動作、厚みで進み具合がわかる、紙のにおい、マーカーなど独自の勉強法、 感触から得られる満足感、目が疲れない、電池の心配がない、などの利点のお話がありました。
次に、春山さんが講師を務められる「さがまちカレッジ」での「電子出版のススメ」のお話、教鞭をとられている 相模女子大での250人学生アンケート(電子書籍は数人しか利用していない)、理系5人、SCオリオン9人のアンケート結果の紹介 の後、インプレス調査はインターネット調査でフィルターがかかっている、さがまちカレッジの受講者は出版に興味を持って いること、電子書籍の利用者は20-30代が多く有料利用も多いが10代は無料が多いなどのお話がありました。
次に、具体的な電子書籍購読の開始ついて、アマゾン・キンドルを例に説明がありました。
そして、電子書籍出版について、春山さんの体験として紙の本の出版での出版社とのやり取り、あきらめかけたら、 Kindle direct publishing があり出版することができたこと、出版社を通さず個人でできる、出版費用がかからない、 売れなくてもノーリスク、販売価格からロイヤリティーがある、いろいろな電子フォーマットに対応、などの説明があり、 書店の縮小、出版社の減少でますます紙の本が少なくなり、質の高い編集者もいなくなり出版社は仲介業に、 また、教科書も電子化へ、電子書籍に慣れた学生が増え、紙の教科書を出版社が躊躇、教師はすでに電子的に資料を作成、 電子的な教科書が普通になる時代というお話でした。
最後に出版体験での具体的なお話で、ファイルの形式(E-PUB、Word)、米国の税金対策、審査、改訂、そしてアマゾンと リンクした紙の本の出版(注文印刷)のお話に続き、ISBNは必要か、出版社は必要?、国会図書館への寄贈、買取は必要?、 ペンネーム、本屋においてもらえる?などの説明があり、アマゾンは独自の書籍管理システムを作ったのは画期的で黒船である、 ということでした。
とても具体的なお話で、自分でも出版できるという気持ちにさせるお話でした。    
参加10名

第59回 2019年5月12日

第59回「宇宙旅行のこれまでとこれから」 
高野忠さん(JAXA・宇宙科学研究所名誉教授、日本宇宙旅行協会理事長)のお話 
まず「まえがき」として、鉄腕アトム、ガンダムの話から現実のスプートニク1号からの宇宙開発の歴史に触れた後、 地球周回の打ち上げ速度、準軌道(弾道)飛行、カプセルで軌道周回、軌道上飛行・宇宙基地、の説明、 宇宙旅行の楽しみは高みから見ることとしてスカイツリー、ジェット機、ISSから見た景色の紹介、宇宙での無重力の例として ラグランジェ点、地球周回の軌道上、自由落下する宇宙船内の説明がありました。 次に「これまでの宇宙旅行」として、飛行士以外は秋山さんなど9人いること、ISSに滞在したデニス・チトーの話では ISSでの地球の眺め、食事、無重力などの楽しみ、カプセルで軌道周回・帰還としては堀江さんの構想、ロシアの宇宙機関の 構想のお話がありました。 次に、「これからの宇宙旅行」として、(1)準軌道飛行はヴァージンギャラクティック社の例で30分〜2時間、25万ドルの費用、 高度100km、無重力と丸みを帯びた地球の眺めを楽しみ2017年現在740人が払い込み済みであり、2016年9月にテスト飛行再開 などの説明があり、(2)宇宙基地ホテル旅行としてISSが2026年以降の使用予定は未定、展開型ホテルモジュールの話があり、 (3)月旅行としてスペースアドベンチャー社の計画のお話などがありました。 次に「使用する宇宙船、ロケット」として、強加速機と巡行機の2種が必要、準軌道型宇宙旅行と軌道型宇宙旅行では所要性能が 異なる、安全性と推進力は飛行経路、推進剤、離陸と着陸方法で決まること、強加速機の例としてのロケットの燃料・第一宇宙速度 ・重力と急加速、振動・衝撃に耐え空力的に安定、再使用型、固体ロケットと液体ロケット、ソユーズFGロケットの例、そして、 離陸・着陸の方法ととして、(a)水平離陸/水平着陸、(b)垂直離陸/垂直着陸、(c)垂直離陸/水平着陸があり、それぞれの具体例の 説明がありました。 次は「安全性」として、過去の4件の事故があり3件は帰還時の事故であること、アボートロケットの例などの説明があり、 「日本は何をすべきか」では、宇宙旅行は今後伸びるとして航空機利用者との対比、収支分析、宇宙旅行の実現に必要なものの リストアップ、宇宙港に必要なもののリストアップ、宇宙服の開発、宇宙船の運用管制(ISSの例で説明)のお話がありました。 最後に「まとめ」として、過去の死亡事故4例中3例は帰還中、ビジネス・観光目的の8人は無事帰還、大衆向け準軌道 ハイブリッドロケットは水平離陸/水平着陸が妥当、脱出ロケットと管制システムで安全性を高める、旅行者を救済するための 組織・関係法律・保険の整備、民間企業では一人の死亡も許されない、とのお話がありました。 費用を別にすると実現が間近で あることを感じさせるお話でした。    
参加27名

第58回 2019年4月21日

第58回「赤外線で探る銀河の誕生と進化 〜最新望遠鏡が明らかにする銀河形成〜」 
本原顕太郎さん(東京大学理学系研究科・附属天文学教育研究センター 准教授)さんのお話 
銀河は星とガスとチリの集まり、形態はガスがたくさんあって活発に星を作っている渦巻銀河と ガスが散逸して古い星が残った楕円銀河に大きく分けられること、大規模な星形成が起きると超新星爆発の連鎖で 銀河自体からガスが流出を始め星形成を止めること、銀河の衝突・合体はガスを圧縮して星形成が起き銀河から ガスを引き出し形態の変化を引き起こし、渦巻銀河から楕円銀河へとかわる。 宇宙の歴史は137億年前のビックバンで誕生、3-20分でH、He、微量のLiが順次作られ、30万年前に電子と 原子核が結合し光が直進するようになる、この瞬間の宇宙は宇宙背景放射で見えるが微妙なムラがあり 数億年かけてガスが圧縮していき、最初の星の集団が輝き始め初代銀河が誕生する。宇宙誕生から7億年位 の銀河が観測されている、とのお話がありました。 次に、赤外線(波長1-200μm)の定義説明とM31をいろいろな波長で見た時の見えるものの違い、 赤外線では何が見えるか、物質は温度に応じた波長の光を出す(黒体放射のウィーンの変位則)、 赤外線は「暖かい」ものが見える、長い波長ほど低温のものが見え核融合が始まる前段階の原始星は 中〜遠赤外線で見えることをオリオン座のM78とトラペジウムの写真で説明がありました。 次に、星間空間に漂っているのはほとんどがガス(水素とヘリウム)、塵(質量比1/100)にはシリケート、 グラファイト、PAHがあり、遠赤外線では塵を含んだガスも見えること、エネルギーの99%が遠赤外線で放射 されている銀河Arp220の例、超高光度赤外線銀河では衝突によるガス圧縮で星が大量に生まれているが、 70億年位前までは大量にあったらしいこと、銀河の星形成率は宇宙誕生から60億年位がピーク、 赤外線銀河が示唆する銀河の衝突進化として、渦巻銀河→合体初期(ガス圧縮、高光度赤外線銀河)→ 合体後期(超高光度赤外線銀河)→クエーサー(活動銀河核、ブラックホール)→楕円銀河 が考えられること、銀河中心のブラックホール質量と銀河内部の星の運動速度は関係があり銀河質量の目安に なること、ブラックホールと銀河はともに進化するがまだよくわかっていないこと、そして、遠くを見ることは 過去を見ること、赤方偏移と宇宙年齢の関係、遠方銀河の見つけ方としてスペクトルに特有の形状があり 赤方偏移したライマンブレークを探す方法の説明があり、遠方銀河はもはや赤外線でしか見えないが、 赤外線は大気の吸収、水、CO2、メタン、オゾンで吸収され観測が難しいこと、などのお話がありました。 歓談の時間では、チリの高地5600mに建設予定の6.5m望遠鏡建設のお話もあり、質問も多く出され楽しいひと時でした。    
参加27名

第57回 2019年2月17日

第57回「巨大星の爆発と中性子星・ブラックホール 〜重力波で何が分かったの?」 
長瀧重博さん(理化学研究所 主任研究員)のお話 
「巨大な星は爆発する」としてベテルギウスや過去の爆発記録の「明月記」とカニ星雲、その中心にある中性子星の説明に続き、 元素の起源として軽い元素は宇宙の始めで、重い元素は大きな星で、更に重い元素は中性子星と中性子星の 合体でできることが2年前にわかったとのお話があり、巨大な星の内部の層構造、「京」による超新星爆発シミュレーション、 大マゼラン雲の超新星爆発のニュートリノ観測、LIGOの重力波検出のお話の後、重力波の説明に入りました。 ニュートンの万有引力、一般相対性理論の重力、アインシュタイン方程式から重力波存在の予言とその性質、LIGOの検出装置の テクノロジー、受信した重力波の説明、世界の重力波望遠鏡の説明がありました。 次に「ブラックホールとは」のお話で、アインシュタイン方程式の解として理論上発見され、重力波検出で存在が直接証明されたこと、 ブラックホール合体の数値シミュレーションと重力波波形が一致すること、ブラックホールの時空構造と宇宙誕生時の時空の 共通点・類似点から宇宙誕生の謎の解明を目指すこと、インフレーション理論は中性子星の研究から生まれたこと、 アインシュタイン方程式で宇宙そのものの進化がわかること、加速膨張が続いた時の宇宙の未来などについてお話がありました。 そして、2017年8月17日の連星中性子星合体からの重力波検出のお話になり、1.7秒後にガンマ線バーストを検出、光学望遠鏡で特定、 合体により金、銀、プラチナが生成された可能性が高いこと、重い元素生成の理論的研究などについて説明がありました。 多くの方が参加され質疑応答も活発に行われました。   
参加29名

第56回 2019年1月27日

第56回「AI,IoTが変える今後の産業や生活」 
川崎幸臣さん(NEC)のお話 
自己紹介の後、AIにはBlackBox型とWhiteBox型がありWhiteBox型の例として、ビール会社の需要予測への活用、 食品ロス低減への活用、ヘルスケアとして内視鏡画像診断のサポートや不穏予兆検知へ応用、マーケティング(潜在顧客予測)への活用、 住宅ローン事前審査の自動化のお話があり、使用している各社のツールの紹介、IoT、5G、VR/AR、などの技術、日本の労働生産性の 低さとAIで仕事がかなりなくなること、変わるところは無人店舗、無人運転、会計士・弁護士などの士業、2007年と2017年の時価総額 Top10の会社を見るとマイクロソフトを除き全部変わっていて2017年はデータの力でのし上がっていること、インスタグラム買収の経緯、 平成元年と平成30年のTop50を見ると元年に多数あった日本企業が30年にはトヨタのみと指摘がありました。 そして、エクスポネンシャル関数とレイ・カーワイルの2045年シンギュラリティ、2029年のプリシンギュラリティ、 2019年現在は第4次産業革命にあり特化型人工知能の時代であること、ハードウェアの発展は2019年のエクサスケールの スーパーコンピュータが人間の作る最後であり2024年のゼータスケール以降はコンピュータが作ること、日本と世界の スーパーコンピュータの現状、ホーキングらのAI脅威論、チューリングテスト達成済みのCleverbot、AIの2大リーディングカンパニー DeeepMindとvicarious、自動運転の最新の議論、映画マトリックスの「心地よい敗北」、AIは30年間に6000万人の仕事を奪うこと、名目GDP600兆円に向けた成長戦略、 クラウドによる各社のAIサービスの提供などのお話がありました。AI発展後の教育についての議論もあり、とても興味深いお話でした。
参加19名

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